能登半島地震で被災したペットの巡回診療が28日、石川県輪島市で始まった。石川県獣医師会に所属する医師たちが、岩手大動物病院から借りた巡回診療車で市内の避難所を訪れ、犬や猫たちを診察した。
同市内に2件ある動物病院はいずれも被災し、再開の見通しが立っていない。道路状況など、被災地のインフラが整っていない中、市外の動物病院を訪れる被災者の負担を考え、巡回診療を始めたという。今後、珠洲市や能登町など、段階的に被災各地を回っていくという。
輪島市内で避難生活を送る磯野聖美(さとみ)さん(30)は、2匹の犬を連れてきた。地震後、余震やアラームに敏感になり、ずっと震えているという。9歳のライムちゃんは糖尿病を患っていて、この日は血液検査を受けた。「震災後、初めて診察してもらった。かかりつけ医が七尾市にあり、なかなか連れて行けなかった。血糖値を自分たちでは測れないので、安心した」と話した。
石川県獣医師会の山辺泰雅理事は「何より心配なのはストレス。長引く避難生活で体調を崩し、下痢や嘔吐(おうと)などの症状が出ているペットもいる。ささいなことでもいいから、相談に来てほしい」と話した。(関田 航)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル